【コラム】インドネシアの給料事情〜平均月収、給料が高い職業、企業〜
日本では、医師、大学教授、航空機操縦士、法務従事者などの職業が年収が高い職業として知られていますが、インドネシアで年収が高い職業は何なのでしょうか。
また、現時点での平均年収や男女の賃金差はどのようになっているのでしょうか。
今回のコラムでは、インドネシアで年収が高い職業をはじめ最新の平均年収、男女の月収差などをご紹介します。
2024年のインドネシアの平均年収の増加予想
2023年12月にインドネシアの570の企業を対象に行われた総報酬調査（TRS）によると、2024年にインドネシア国内における年収が6.5%増加すると予想されており、アジアの平均5.2％を上回っています。
アジアの中で増加率が高い国は、インド（9.3％）とベトナム（7%）で、増加率が低いのは日本（2.6%）、台湾（3.8％）、香港（3.9％）となります。
また、インドネシアの給与上昇の要因としては、最低賃金の引き上げ、生活費の上昇、企業間の賃金上昇競争などが挙げられています。
近年、給与上昇率が低い日本と比較すると現地の労働者にとって非常に良い状況であることがわかります。
参考WEBサイト：https://www.mercer.com/id-id/about/newsroom/mercer-trs-stable-salary-increases-expected-in-2024/
2023年インドネシアの男女の月収の差
インドネシア中央統計局（BPS）のデータによると、2023年時点でも男性の平均収入が女性より上回っていることがわかっています。
インドネシアの男性の平均月収はRp3,230,000に対し、女性の平均月収はRp2,400,000と約Rp920,000も差があります。
また、大卒の失業率は男性より女性が高く、大卒女性の失業率は労働人口に対して17.61％に対し、大卒男性の失業率は8.75%です。
上記より、インドネシアにおいて現在でも男女で労働格差があることがわかります。
インドネシアで給料が高い職業
以下は2024年時点で、インドネシアで給料が高い職業とその給料です。
１位：医者（外科医）
平均月給：Rp28,800,000（約27万6千円）〜82,700,000（約79万4千円）
日本と同じようにインドネシアでも医者の給与は高く、中でもリスクが高い外科医の給料が一番高いです。
２位：裁判官
平均月給：Rp17,800,000（約17万千円）〜56,600,000（約54万4千円）
人の運命を決定するという責任が重い仕事であり、その責任の重さに伴い給料が高いです。
3位：弁護士
平均月給：Rp15,700,000（約15万千円）〜51,300,000（約49万3千円）
依頼者の利益と、法的権利を保護する重要な仕事であるためその分給料も高くなります。
4位：銀行のマネージャー
平均月給：Rp13,000,000（約12万5円）〜43,700,000（約41万9千円）
数億の貯蓄、投資を管理する責任があるため、給料が高い職業です。
5位：代表取締役社長（CEO）
平均月給：Rp14,700,000（約14万千円）〜41,000,000（約39万4千円）
企業にもよりますが、企業のトップである代表取締役社長は、インドネシアでも給料が高いです。
6位：最高財務責任者（CFO）
平均月給：Rp14,500,000（約13万9千円）〜40,700,000（約39万千円）
会社の財務の最高責任者であるCFOはCEOの次に給料が高い職業です。
7位：歯科医師
平均月給：Rp12,800,000（約12万3千円）〜40,900,000（約39万2千円）
外科医より給料は下がりますが、歯科医師も給料が高い職業です。
8位：大学教授
平均月給：Rp11,900,000（約11万4千円）〜37,900,000（約36万4千円）
大学教授は専門的な知識が必要で難しい仕事であり、且つ学生に向き合う忍耐力も必要なため給料が高い職業です。
9位：パイロット
平均月給：Rp10,300,000（約9万9千円）〜34,500,000（約33万千円）
航空会社や経験によって給料は異なりますが、厳しい訓練を受け、多くの人々の命を預かるパイロットも給料が高い職業です。
10位：マーケティングディレクター
平均月給：Rp9,840,000（約9万4千円）〜29,700,000（約28万5千円）
会社の収益を増やすうえで非常に重要なポジションであるため、給料が高いです。
2024年時点のインドネシアにおける平均月給は、Rp3,040,719（2万9,209円）ですが、平均の10倍以上の給料をもらえる職業もあることがわかります。
また、以下は日本で給料が高い職業は以下の通りです。
1位：パイロット
2位：医師
3位：大学教授
4位：法務関係者
5位：大学准教授
6位〜10位：管理的職業従事者、歯科医師、その他経営・金融・保険専門職業従事者、小中高高教員、公認会計士・税理士
順位は異なりますが、パイロット、医師、法務関係など、日本と共通していることがわかります。
参考WEBサイト
https://www.kompas.tv/ekonomi/481888/intip-10-profesi-dengan-gaji-tertinggi-di-indonesia-bisa-tembus-puluhan-juta?page=all
https://www.neo-career.co.jp/careertrus/kasegerusigoto#:~:text=%E3%80%8E%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81%E3%80%8C%E4%BB%A4%E5%92%8C4,%E3%81%AF%E4%BB%A5%E4%B8%8B%E3%81%AE%E9%80%9A%E3%82%8A%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82&text=%E7%94%B7%E5%A5%B3%E5%90%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E7%A8%BC%E3%81%92%E3%82%8B%E4%BB%95%E4%BA%8B,%E5%86%86%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
https://www.bps.go.id/id/statistics-table/2/MTUyMSMy/rata-rata-upah-gaji–rupiah-.html
初任給が高いインドネシア企業
以下は、インドネシアで新卒の初任給が高い企業です。
Bursa Efek Indonesia（インドネシア証券取引所）
初任給：Rp12,000,000〜13,000,000（約115,000〜125,000円）
インドネシアのジャカルタに拠点を置く、インドネシアの証券取引所
PT Pertamina（Persero）（プルタミナ）
初任給：エンジニアRp7,000,000〜10,000,000（約67,000〜96,000円）
インドネシア最大の利益を上げているインドネシアの国営石油会社
PT Freeport Indonesia（フリーポートインドネシア）
初任給：技術職Rp10,000,000〜20,000,000（約96,000〜192,000円）
インドネシアのパプア州に拠点を置く、鉱山会社。辺鄙な場所にあるが給与に加え福利厚生も安定している。
PT Total Energies（トタルエナジーズ）
初任給：Rp12,000,000（約115,000円）
フランスに本社を置く、世界で4番目に大きい石油・天然ガス会社。
Telkomsel（テルコムセル）
初任給：ソフトウェア開発 Rp10,000,000（約96,000円）
1 億 7,000 万人の利用者を持つ、インドネシア最大の電気通信会社。
新卒の平均的な初任給は、学部により異なりますが、Rp40,000,000〜となり、上記のような大手企業に入社することができると、平均を上回る給料を得ることができます。
また、大手企業やエネルギー系の企業は、新卒の給料が高い傾向にあるようです。
今回のコラムでは、インドネシアにおける給料事情についてご紹介しました。
インドネシアでは、男女間、職業間での給料格差は存在しますが、平均的な給料は上昇傾向にあることがわかりました。
インドネシア現地での採用の際、優秀な人材を確保するためには、他社や市場をしっかり見極めて給与設定することが重要であると言えます。
弊社インドネシア総研は、インドネシアの様々な分野における市場調査、現地視察を行っております。また、現地にもインドネシア人スタッフが多く在籍しており、インドネシアの最新情報を得ることができます。
インドネシアにおけるビジネスにご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね！